Windows 10が起動しない! 考えられる原因と対処法を解説

「突然パソコンが起動しなくなった」「何もしてないのに動かない」といった状況に陥った場合、どのような対処をすれば良いのでしょうか。業務がストップしてしまう重大なトラブルですが、Windows 10が起動しない原因はさまざまで、対処方法も多岐にわたります。
本記事では、Windows 10が起動しない原因や、具体的な対処法を紹介します。パソコンが起動せずに困っている方は、ぜひ本記事を参考に対処を行ってください。
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Windows 10が起動しないときに考えられる原因

Windows 10が起動しない原因としては、大きく6つの原因があります。原因によって解決策も異なるため、まずはなぜ起動しないのか特定することが大切です。以下でそれぞれの原因について解説します。
電源ケーブルが断線・故障している

パソコンに問題があるのではなく、電源ケーブルが断線・故障して、電気が供給されていないことも考えられます。パソコンの電源ケーブルは、頻繁な抜き差しや折り曲げなどにより傷みやすく、特にプラグの付け根部分は断線しやすくなります。
別の電源ケーブルを使用して起動するようであれば、電源ケーブルの問題である可能性が高いでしょう。
電源ケーブルは、縛ったりケーブルを持って引っ張ったりすると、断線しやすくなります。ケーブルは円状に折り曲げて収納する・端子を持って引き抜くなど、普段から丁寧に扱いましょう。
アップデートに時間がかかっている

アップデートに時間がかかっていることで、なかなか立ち上がらないケースもあります。特に大規模な更新プログラムの適用中は、システムの読み込みに時間を要するため、長時間Windowsのロゴ画面のままになることがあります。
もしアップデート中にもかかわらず、フリーズしたと誤解して強制終了してしまうと、システムファイルが破損するかもしれません。アップデート中の表示がされている場合は完了を待ちましょう。
また、アップデート中に問題が発生して、正常に完了できていない可能性もあります。しばらく待ってみて、どうしても完了しないようであれば、更新プログラムをアンインストールしてみると解決できる場合があります。
HDDやSSDが故障している

パソコンのデータを保存しているHDDやSSDに、故障・不具合が発生して正常に起動できなくなっているケースも考えられます。HDDやSSDに異常が発生すると、パソコンはシステムファイルを読み込めず、OSを起動できなくなります。
故障の主な原因は、誤操作やアップデート中のエラーです。ただし、物理的な寿命の場合もあります。
一般的にストレージデバイスの寿命は約5年ほどです。HDDは部品の劣化や衝撃による損傷が起こりやすく、SSDは書き込み回数の限界に達すると故障する可能性があります。
バッテリーが劣化している

ノートパソコンの場合、内蔵バッテリーが劣化して、十分に充電ができなくなったり、突然電源が切れたりといった症状が発生することがあります。
バッテリーは消耗品のため、一般的に2〜5年ほどが寿命とされており、使用年数や充放電回数が増すごとに性能が低下します。
バッテリーを外した状態で、電源ケーブルをつないでパソコンを起動できるようであれば、内蔵バッテリーが劣化している可能性が高いでしょう。バッテリーの交換もしくは本体の買い替えを検討してください。
パソコンに静電気がたまっている

パソコンに静電気がたまって帯電すると、画面が真っ暗になったり突然パソコンが落ちたりといった症状が表れます。
帯電の原因は、主に下記の3つです。
- パソコンを長時間使用し続けている
- 電源ケーブルをつなぎっ放しにしている
- 内部にほこりが蓄積している
上記に当てはまるようであれば、帯電による不具合の疑いがあり、放電して余分な電気を取り除く必要があります。
メモリに不具合がある

データを一時的に保存する記憶装置であるメモリに故障・接触不良などが発生していて、起動できなくなっている場合もあります。起動時にブルースクリーンが表示されたり、起動途中で固まったりなどが主な症状です。
またパソコンに不具合がなくても、メモリの大きさに対して、重過ぎるアプリやシステムを作動させることで、処理が遅くなったり固まったりするケースもあります。
メモリに不具合や容量不足がある場合は、メモリの増設や交換、メモリスロットの清掃などが効果的です。
Windows 10が起動しないときに試すべきこと

Windows 10が起動しないときに、まず試すべき7つのことを紹介します。サポートへ連絡したり修理を依頼したりしなくても、不具合が解消されるかもしれません。
電源ケーブルの接続を確認する

まずは電源ケーブルの接続に問題がないか確認してみましょう。「問題ないはず」と思っていても、見落としているかもしれません。
問題なく接続されている場合でも、きちんと奥まで挿し込まれているか確認してください。一度電源コードをコンセントから抜いて、数分待ってから再接続するだけでも解決するケースもあります。
また、延長コードやタコ足配線を利用している場合は、電源コードを直接コンセントに接続してみましょう。経由している延長コードが断線しているなど、不具合があるかもしれないからです。
ノートパソコンの場合は、ACアダプターとの接続も要確認です。ACアダプターとパソコン側のケーブルを接続する部分が、抜けていたり破損していたりするかもしれません。
周辺機器を取り外してみる

USBメモリや外付けHDD、プリンターなど周辺機器と接続している場合は、一旦取り外してから再起動すると、問題なく起動できることがあります。
新たに接続した周辺機器のドライバーが正常にインストールされていない可能性がある他、電子機器同士の電波干渉で通信状態が不安定になるなど、周辺機器の影響で起動時に問題が生じる場合があります。
一つずつ接続し直して再起動を繰り返すと、どの周辺機器が不具合の原因かを特定できるでしょう。問題のある周辺機器は、ドライバーを更新したり買い替えたりすると、以降同じようにパソコンが起動しなくなる事態を防げます。
セーフモードで問題を診断する
不具合の原因が特定できない場合は、セーフモードでパソコンを起動して問題を診断するのも一つの手です。セーフモードとは、最小限のドライバーでパソコンを起動するモードで、パソコン上に問題があるかを診断してくれます。
Windows 10でのセーフモードでパソコンを起動する方法は、以下の通りです。
- スタートメニューから設定をクリック
- 設定の「更新とセキュリティ」をクリック
- 左に表示される一覧から「回復」を選択
- 右側に表示される「今すぐ再起動」をクリック
- 「オプションの選択」画面が表示されたら「トラブルシューティング」をクリック
- トラブルシューティングが表示されたら「詳細オプション」をクリック
- 詳細オプション中の「スタートアップ設定」をクリック
- 再起動を選択
- 画面が切り替わったら、数字キーの「4」または「F4」を押して、「セーフモードを有効にする」を選択
- パソコンが再起動され、デスクトップ画面に「セーフモード」と表示されたら完了
セーフモード起動後は、不具合の原因を特定・削除すれば正常に起動できるでしょう。
放電させてみる
パソコンが帯電している場合は、放電させることで問題なく起動できるかもしれません。
放電は、以下の手順で行えます。
- 周辺機器が接続されている場合は外す
- パソコンを完全にシャットダウンする
- 電源ケーブルを抜く(ノートパソコンの場合はバッテリーも外す)
- そのまま5分以上放置する
放電後はバッテリーを戻して、再起動してください。
放電するときはパソコンを完全にシャットダウンする必要があります。ただし、細かい方法は機種によって異なるため、メーカーのホームページなどで確認しましょう。
起動するまで待つ
起動しないのではなく、単純に起動に時間がかかっているだけの可能性もあります。特に大型アップデートやシステムの変更後は、起動プロセスに通常よりも時間がかかることがあります。
通常長くとも30分~1時間ほどで起動完了するケースが多いものの、場合によってはそれ以上かかるかもしれません。電源ケーブルが接続されており、電源が落ちる心配がないことを確かめた上で、1時間ほど待ってみましょう。
より早く起動できるようにするためには、不要なスタートアッププログラムを無効にしたり、定期的にクリーンアップしたりするのが効果的です。ハードディスクをSSDに取り換えて、データの読み込みスピードをアップさせるのも起動時間短縮に有効です。
パソコン内部の埃を取り除く
長年使用し続けているパソコンの場合は、内部の埃を取り除くと、埃で妨げられていた冷却効率がアップして不具合が解消される可能性があります。
パソコン内部を清掃する際は、以下の手順で行いましょう。
- パソコンの電源を切り、ケーブルや周辺機器を外す
- ネジを外してカバーを開ける
- エアダスターや柔らかいブラシで、ファン・ヒートシンクの埃を取り除く
- 細かな部分は、綿棒で埃を取り除く
- カバーを閉める
注意点として、メーカーによっては「パソコン本体のケースを開ける」行為が分解と見なされ、保証が効かなくなる可能性があることは把握しておきましょう。メーカー保証の適用除外項目を確認した上で、清掃作業を行ってください。
スタートアップ修復を実行する
Windowsの起動に関するソフトウェアの不具合を自動的に検知・修復する「スタートアップ修復」という機能を実行する方法もあります。
手動での実行は、下記のような方法で行います。
- 「スタートメニュー」から「設定」をクリック
- 「更新とセキュリティ」をクリック
- 左サイドバーの「回復」から「今すぐ再起動」をクリック
- 「オプションの選択」画面が表示されたら「トラブルシューティング」をクリック
- 「詳細オプション」から「スタートアップ修復」をクリック
- 実施するアカウントを選択し、パスワードを入力したら「続行」をクリック
- しばらくすると修復が終了し、Windows 10が起動
自動実行される場合もありますが、これは2回連続で起動に失敗すると自動的に開始されます。
スタートアップ修復には、1〜2時間ほど必要なこともあります。また問題を解決できるとは限らず、修復に失敗する可能性もある点は要注意です。
Windows 10がどうしても起動しないときの対処法

どの対処方法を試してみても、どうしてもWindows 10が起動しないときは、以下で紹介する方法を検討してみましょう。
修理に出す

修理の依頼先は大きく3つで、それぞれ以下のように特徴が異なります。
修理依頼先 | 特徴 |
---|---|
メーカーサポート | ● 純正部品を使用しており、高い信頼性を誇る ● 保証対応可能なら割引・無料で対応してくれる |
家電量販店 | ● 便利な立地で複数メーカー対応のため依頼しやすい ● メーカーへ発送してくれるため純正パーツでの修理となる ● 家電量販店独自の保証制度を利用できる場合がある |
パソコン修理業者 | ● 比較的安価かつスピーディな修理が期待できる ● メーカー修理の保証が無効になってしまうことに注意 |
メーカーサポートは信頼性が高く、保証期間内であれば無償修理の可能性があるため、保証期間内であればメーカーに直接依頼もしくは家電量販店経由で修理を依頼しましょう。
パソコン修理業者は安価で対応してくれるのが魅力ですが、一度修理してもらうとメーカーの保証対象外になってしまうのがネックです。
保証期間の有無や予算などに応じて、最適な修理先を検討してください。
Windowsを初期化する

パソコンの初期化とは「出荷時の状態に戻す」ことで、不具合を解消する方法です。
初期化の手順は、以下の通りです。
- 「スタート」から「設定」をクリック
- 「更新とセキュリティ」から「回復」に進み「開始する」を選択
- 「個人用ファイルを保持する」にか「すべて削除する」にするか2択が表示されるので、後者を選択
- OSを再インストールする方法を選択
- 案内に従って進み「リセットする準備ができました」と表示されたら「リセット」をクリック
- 初期化が開始
ただし、購入後にインストールしたソフトウェアやシステムファイル、個人ファイルなどの全ての情報が消えてしまうため、リスクの大きな対処法です。さまざまな方法を試した上で、最終手段として行ってください。
パソコンを買い替える

Windows 10のサポートが2025年10月で終了してしまうため、これを機にWindows 11搭載のパソコンへ切り替えるのもおすすめです。
OSのサポートが終了すると、セキュリティに脆弱性があっても更新されないため、情報漏えいなどのリスクが高まります。特に個人情報や顧客データなど機密性の高い情報を扱う企業のパソコンにとって致命的な問題です。
買い替え・修理どちらにすべきかの判断基準として、パソコンの使用年数や修理費用が挙げられます。一般的にパソコンの寿命は5年ほどといわれているため、購入から5年以上経過している場合は買い替えがおすすめです。
一部だけを修理しても他の箇所で不具合が出たり、同じ症状が再び起こったりなど、再度故障する可能性があるからです。
新品のパソコン購入は予算的に厳しいという場合は、中古パソコンの購入も検討してください。
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まとめ
Windows 10が起動しなくなった場合は、不具合の原因としてさまざまな要因が考えられます。要因ごとに適切な対処法が異なるため、まずはどのような原因が考えられるか検証していきましょう。
まずは放電や周辺機器の取り外しなどの簡単に行える方法から試してみて、次にセーフモードのような手間や時間のかかる対処法を取るのがおすすめです。特に、初期化のようなリスクがある方法は最後の手段だと考えてください。
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