PCのリプレイスとは? 実施するタイミングや手順、注意点まで解説

業務で使用するPCが古くなってくると「処理速度が落ちてきた」など、使用上の問題が目立つようになってきます。しかし「そろそろ替えどきかな?」と思いつつも、具体的な手順や注意点が分からず、先延ばしにしている担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
PCの老朽化は業務効率の低下だけでなく、セキュリティリスクの増大にもつながるため、企業活動に深刻な影響をおよぼしかねません。そこで本記事では、企業におけるPCリプレイスの目的や最適なタイミング、具体的な手順、注意点を解説します。
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PCのリプレイスとは?

PCのリプレイスとは、業務で使用しているPCを新しいものに置き換えることを指します。これは不具合の有無に問わず行われるもので、一定周期で行っている企業も多くあります。
PCは消耗品なので、長期間使用していると最新PCよりも性能が低くなったり、故障するリスクが高まったりと、業務に支障をきたすようになってくるものです。
一般的に、PCの寿命は5~7年ほどとされており、ノートPCの場合は3~5年ほどです。寿命ギリギリまで使用すれば、エラーやトラブルで動作しなくなり、大事なデータが消えてしまうことも考えられます。
PCが十分に機能している状態のうちに、新しいものに交換しましょう。
PCのリプレイスを行う目的

PCのリプレイスを行う目的は、大きく3つあります。リプレイスの目的を把握しておくと、適切なタイミング・要件を判断しやすくなります。
業務効率の低下を防ぐ

長期間使用したPCは、OSに不要なファイルが蓄積されたり、常駐プログラムが増加したりと、次第に動作が遅くなっていきます。ハードウェアの劣化や日々新しくなるソフトウェアにスペックが追い付かないなども理由です。
これらにより下記のような問題が発生し、業務効率の低下を招きます。
- PCの起動時間が長くなる
- アプリケーションの応答が遅れる
- 文書作成・データ処理に時間がかかる
- 突然のフリーズや再起動が発生する
PCのパフォーマンスが落ちることで、作業スピードが遅くなって業務効率・生産性のダウンにつながります。場合によっては、突然のフリーズ・再起動によって作業の中断や重要データの損失につながる恐れもあります。
常に最適な業務環境を維持するために、計画的なPCリプレイスが必要です。
メンテナンスコストを削減する

PCのパーツには多くの消耗品が含まれており、リプレイスすることでメンテナンスコストの削減になります。
PCを長期間使用し続けると、SSD・HDDやバッテリーなどのパーツが経年劣化して、故障や不具合が増加します。こうしたパーツは複数あるため、一つを交換しても他のパーツも劣化している可能性が高く、修理・部品交換の頻度が高くなりがちです。
そのため、個々のパーツを都度交換するよりも、PC全体をリプレイスした方が経済的な場合があります。
また、古いPCの部品は入手困難になることもあり、修理自体ができなくなる可能性もあります。
何度も修理を繰り返すより、リプレイスの方が経済的かつ手間もかからないでしょう。
新しいOSやソフトウェアに対応させる

PCのリプレイスは、最新のOSやソフトウェアに対応させる目的もあります。
技術の進歩に伴い、OSやソフトウェアは常に更新されています。そのためPCが古くなってくると、新しいOSやソフトウェアのシステム要件を満たせず、インストール・動作ができなくなるかもしれません。
インストールできても、PCのスペックが追いつかず、動作が重たくて使いものにならないケースも考えられます。
また、最新のOS・ソフトウェアはセキュリティ強化が図られているため、更新することで外部からの攻撃や情報漏えいのリスク軽減にもつながります。
新しいOS・ソフトウェアへの対応は業務効率アップ・セキュリティの改善になるので、定期的なリプレイスでPCのスペックを高めることも大切です。
PCのリプレイスを行うタイミング

PCのリプレイスを行うべきタイミングとして、3つの候補が挙げられます。いずれかに該当する場合は、不具合・故障などがなくてもリプレイスを検討しましょう。
購入から3~5年がたったとき

PCの購入から3~5年が経過したら、不具合が出やすくなる時期なのでリプレイスを検討しましょう。使用頻度やモデルによっても異なりますが、デスクトップPCの寿命は5~7年ほどで、ノートPCの場合は3~5年ほどです。
寿命を迎えたPCは、さまざまな不具合が発生しやすくなります。例えば、OSの動作が遅くなって作業効率が低下したり、HDDやSSDなどの消耗品が劣化してデータ喪失の可能性が高まったりといったリスクが考えられます。
購入から3~5年ほどがたつと、こうした不具合がいつ発生してもおかしくありません。
PCが起動しなくなったりデータが消えたりしてしまう前に、早めにリプレイスしておくのが安心です。
部品の保有期間を過ぎたとき

PCの部品には保有期間があるため、期間を過ぎて修理が難しくなる前に、リプレイスするのがおすすめです。
パソコンの補修用部品はメーカーが保有しており、製造打ち切りからおおよそ6~7年となっています。これはあくまでも目安で、メーカーやモデルによってはもっと早く保有期間が終了するケースもあります。具体的な年数は取扱説明書や保証書などに記載されているので、確認してみましょう。
ただし、補修用部品の保有期間が終了しても、すぐに修理サービスは停止しません。保有期間を過ぎてからも、一定期間は修理サービスが提供されます。
とはいえ、いつ必要な部品が調達できなくなるかわからないので、修理困難になる前に、リプレイスを検討してください。
OSのサポートが終了するとき

OSのサポートが終了する際も、リプレイスすべきタイミングです。WindowsをはじめOSのサポート期間には限りがあり、終了後は、セキュリティアップデートや技術サポートが提供されなくなるため、ウイルス感染や情報漏えいなどのリスクが高まります。
また、Windows 11対応のソフトや機能などが使えないのもデメリットです。
直近では、2025年10月にWindows 10のサポートが終了予定です。Windows 10を使用中でも、Windows 11へ無償アップグレード可能ですが、PCが古いなどスペックによっては必要要件を満たせず、使用できない場合もあります。
要件を満たさない場合は、リプレイスを検討しましょう。
PCのリプレイスを行う6つの手順

PCのリプレイスを行う手順は、大きく6つのステップに分かれます。それぞれのステップについて解説します。
1.データのバックアップを取る
PCをリプレイスするにあたり、まずは既存PCのユーザーフォルダの情報や必要なファイルを保護するためバックアップを取りましょう。
ファイル情報以外にも、個人設定やブックマーク、メールデータ、ドキュメント、画像、動画など全データが対象です。バックアップ方法としては、バックアップソフトの使用やクラウドストレージへのアップロード、外付けハードディスクをはじめ物理的なストレージデバイスへの保存が考えられます。
2.有料ソフトのライセンスや認証情報を確認しておく
業務で使用している、有料ソフトのライセンスや認証情報を確認しておきましょう。
有料ソフトの有無はデバイスごとに異なることもあるので、それぞれどのようなソフトを使っているのかリストアップし、ライセンス形態を確認していくと抜け漏れなくチェックできます。
有料ソフトの種類によっては、1台のPCにしかライセンスを適用できないものもあるので、新しいPCへ移行する前に古いPCでライセンス認証の解除が必要な場合もあります。ソフトによって引き継ぎ方法が異なるので、移行に必要な手続きも確認しておきましょう。
3.新しいPCの要件を整理する
業務に必要なソフトやアプリをリストアップして、快適に動作するために必要なスペックを洗い出しましょう。業務で使用するシステムがある場合は、それとの互換性も大事です。
どれくらいのCPU・メモリ・ストレージがあると快適に動作するのかを基準に必要なスペックを決めます。このとき、数年先になっても快適に動作しているように、ある程度余裕を持ったスペックを選ぶと、長期間にわたって効率的な業務を支えてくれます。
また、リプレイスする範囲や台数も明確にしておきましょう。部門や拠点ごとに要件が違うこともあるので、業務内容にあった最適なパフォーマンスを発揮してくれる要件を決めることが大切です。
4.新しいPCやベンダーを決める
業務で求められるPCの要件が決まったら、具体的にどのPCにするかや、どのベンダーから購入するか決めます。性能や価格、サポート体制などを考慮し、複数の機種を比較検討しましょう。
複数のPCをリプレイスする場合は、ベンダーに依頼して希望要件にマッチするPCの選定・調達を依頼するのがおすすめです。要件の種類が多岐にわたる場合や社内にIT人材が不足している場合などには、専門の業者に任せることで、適切なPCを導入しやすくなります。
機種の選定から初期設定まで任せられるベンダーを選べば、社内のリソースが限られていてもリプレイスしやすいです。
5.初期設定を行う
新しいPCを導入したら、必要なソフトのインストールやネットワーク設定、ユーザーID・パスワード設定、周辺機器との接続などの初期設定(キッティング)を行います。
初期設定には時間がかかるので、まとまった時間の確保や手分けして設定する人員などが必要です。特にリプレイス台数が多かったり使用者ごとにソフトやアプリが異なったりと手間がかかる場合は、ベンダーに任せてしまうのがおすすめです。
6.データを移行する
新しいPCの初期設定が完了したら、バックアップしてあったデータを移行させましょう。
データの移行には時間がかかるため、移行時間を確保しておくことが大切です。データ量やPCのスペックにも左右されますが、数時間から半日ほどかかることが多く、場合によっては半日以上かかることも考えられます。
そのためノートPCの場合は、必ず電源につないだ状態で移行させましょう。データ移行中に電源が落ちてしまうと、バックアップしていたデータが消えてしまうかもしれません。
PCのリプレイスを行う際の注意点

PCのリプレイスを行う際には、押さえておきたい3つの注意点があります。それぞれ詳しく解説するので、スムーズに進行させるために覚えておきましょう。
スケジュール通りに進まない場合がある

PCのリプレイスを行う際は、スケジュール通りに進まない場合があるので、時間にゆとりを持った余裕のあるスケジュールで計画しましょう。
リプレイス時には、決めることや工程が多く準備が大切です。例えば必要なPCの要件や具体的な機種、導入部署、ベンダーの選定など、決めることが多くあります。
また、メーカーやベンダーの納期が遅れるなど不測の事態も考えられます。
厳しいスケジュールを組むと一つのアクシデントで破綻するかもしれないので、ある程度トラブルも想定した上で、余裕を持ったスケジュールを想定しておくことが重要です。
ソフトウェアが動作しなくなる場合がある

ソフトウェアが動作しなくなる場合があるのも要注意です。リプレイス時に起こる動作不良は、新しいPCのハードウェアやOSと、ソフトウェアとの互換性が主な原因です。
例えば、古いソフトウェアが最新のOSに対応していない場合や、32ビットアプリケーションが64ビットシステムで動作しない場合などがあります。
PCをリプレイスして新しくしても、ソフトウェアは既存のものを使用することが多いため、こういったアクシデントは起こりがちです。事前に必要な要件を確認するのはもちろん、導入前に新しいPCのスペックや対応OSが、使用するソフトウェアの動作環境とマッチするかも確認しましょう。
コスト負担を考慮に入れる

PCやベンダーの選定時には、全体のコスト負担を考慮しましょう。1台当たりの費用は小さくても、数百台・数千台など大規模な入れ替えの場合はちょっとしたコストアップが大きな負担になることも考えられます。
不要な機能や工程を省くことで、コストを抑えられます。例えば、全従業員に高性能PCを配布するのではなく、業務内容に応じて適切なスペックを選択すると無駄を省けます。他にも、初期設定はベンダーに任せてバックアップは自分たちで行うなども有効です。
まとめ
PCの寿命は、デスクトップPCが5~7年ほど、ノートPCが3~5年ほどが一般的で、寿命が近づくにつれエラーやトラブルで動作しなくなりやすいので、大事なデータが消えたり動作が重く作業効率が悪くなったりしやすくなります。
そのため導入から3~5年を目安に、定期的にリプレイスすることで、業務効率低下の防止やメンテナンスコストの削減につながります。
少しでもコストを抑えてPCをリプレイスしたい場合は、中古パソコン通販専門店「Be-Stock」がおすすめです。経験豊富なスタッフが入念にクリーニング・検品した良品をそろえており、法人掛売りにも対応しているので、ご注文後すぐに出荷できます。
ご予算に合わせて最適のPCをご提案するので、どのPCがいいか悩まれる方は、ぜひ一度ご連絡ください。
