オフィス付きの安い中古パソコンが売っているのはなぜ? 購入するリスクや不正品の見分け方を解説

社内のパソコンを買い替える際に、新品よりも安く購入しやすい中古パソコンは魅力的な選択肢です。しかし、中にはオフィス付きにもかかわらず安く販売されているパソコンもあり「本当に大丈夫なの?」と不安に思われることもあるでしょう。
そこで本記事では、そもそもオフィス付きなのに安い中古パソコンが売っているのはなぜなのかから、購入に伴うリスクや不正品の見分け方まで解説します。間違って怪しいパソコンを購入しないように、企業のリプレイス担当の方はぜひ参考にしてみてください。
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オフィス付きの安い中古パソコンが売っているのはなぜ?

通常、オフィスが搭載されたパソコンは、搭載されていないパソコンよりも高価です。しかし、オフィス付きの中古パソコンが、割安で販売されているケースもあります。なぜこのようなことが起こるのか、その理由は主に2つあります。
価格の安い互換ソフトだから

オフィスではなく、価格の安い互換ソフトを「オフィス付き」と謳って販売しているケースがあります。
オフィスよりも価格が安かったり無料だったりとコストが低いものの、基本的な機能はほぼ同じ製品です。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- Libre Office:無料でダウンロードできるソフトウェアで、文書作成・表計算・プレゼンテーションなど、オフィス製品と似た機能がある。複数のファイル形式に対応しており、オフィスのファイル形式にも対応している
- Open Office:無料でダウンロードできるソフトウェアで、Libre Officeと同じく文書作成・表計算・プレゼンテーションなど、オフィス製品と似た機能に対応している。Libre Officeの前身
- WPS Office:無料でダウンロードできるソフトウェアで、文書作成・表計算・プレゼンテーションなどが可能。動作がとても軽く、ソフトを動かしやすい
低コストながら日常的な使用には十分な機能を発揮するので、趣味程度の使用であればオフィスの互換ソフトを搭載したパソコンでも問題ありません。
オフィスよりも機能が制限されている場合もあるので、業務内容と照らし合わせて問題なければ、互換ソフトを選ぶのも一つの手です。
非正規の方法で搭載されたオフィスだから

要注意なのが、非正規の方法でオフィスが搭載されているケースです。ライセンスの不正利用など非正規の方法でオフィスが搭載されていることがあり、その手口は大きく2パターンあります。
法人向けオフィスの不正利用
1つ目の手口は、法人向けオフィスのボリュームライセンスを不正利用しているパターンです。
ボリュームライセンスとは、企業や団体全体で一つのライセンスを契約したものです。従業員一人ひとりにライセンスを発行せずに済むので、システム管理者が簡単に管理できるようになります。
このボリュームライセンスは、契約が長期間にわたったり、アカウント数に余裕があったりする場合は、管理用のアカウントさえわかれば「タダ乗り」できるかもしれません。もしくは悪徳業者が法人アカウントを作って、契約数を上回るライセンスを販売するケースも考えられます。
いずれにせよシステム管理者のアカウント情報さえ入手できれば、余剰のライセンスを発行できるという仕組みの弱点を突いた犯行です。
OEM版オフィスの不正利用
2つ目の手口は、OEM版オフィスを不正利用しているパターンです。
新品のパソコンにオフィスが付属するケースがよくありますが、この付属オフィスの中でも、インストールされず使われなかったなどの理由で余ったものが横流しされるケースがあります。これが存在しないはずの「中古のオフィス」として、出回っている可能性が考えられます。
パソコンに付属していたオフィスは、そのパソコン以外でのインストール・再販ともに禁止されているため不正利用です。
中にはプログラムをダウンロードして入手するよう促す指示に従うと、ウイルスが混入していたという被害報告もあります。Microsoftが公式に注意喚起しているので、不正利用のオフィスは使用しないよう注意しましょう。
非正規品のオフィス付き中古パソコンを購入するリスク

非正規品のオフィス付き中古パソコンを購入すると、さまざまなリスクがあります。安く購入できるメリットよりも、デメリットの方が大きいため正規品を購入しましょう。代表的な4つのリスクを紹介します。
すぐに使えなくなる場合がある

非正規品のオフィスは、安く購入できてもすぐに使えなくなる場合があります。
Microsoftは、定期的に不正なライセンスキーの取り締まりを行っているため、購入直後からソフトウェアが機能しなくなるかもしれません。
また、法人向けオフィスを不正利用している場合は、法人側が解約して無効化されたり、認証上限に達していて使用できなかったりするケースもあります。いずれにせよ、いつどのタイミングで使用不可になるかわからないので、業務に支障をきたしかねません。
結果的に正規のオフィスを購入しなおすことになれば、経済的な損失の発生にもつながります。非正規品のオフィスには、手を出さないようにしましょう。
処罰を受ける場合がある

非正規品のオフィスが付いたパソコンを使用することで、法的な処罰を受けるかもしれません。
オフィス製品をはじめソフトウェアは著作物なので、海賊版や不正コピーのオフィスは著作権法違反に当たります。販売者が処罰されるのはもちろんですが、不正なものだと知って購入していた場合は、購入者側も著作権法違反の幇助行為として処罰の対象となります。当然ながら、法的責任が問われるため注意が必要です。
また、刑罰や訴訟などの対象となるほか、特に企業の場合は、コンプライアンスを遵守できない企業と見なされ社会的信用が失墜することとなるでしょう。
これらのリスクを避けるためには、正規品のソフトウェアを使用することが重要です。
ウイルスやマルウェアに感染する場合がある

非正規品のオフィスには、ウイルスやマルウェアが仕込まれている可能性があり、インストールすることで感染する恐れがあります。
悪意のある第三者によって、以下のような被害を受けるかもしれません。
- 個人情報や企業秘密などの機密データが盗まれる
- 上記機密データが破壊される
- ランサムウェア被害に遭う(パソコンのデータを暗号化され、復元するために身代金を要求される)
実際に、海賊版オフィスを介して遠隔操作型トロイの木馬など、複数のマルウェアが配布された事件も報じられており、Microsoftのホームページでも注意喚起されています。
特に企業の場合は多くの機密データがあり、情報漏えいによる被害も大きくなるため細心の注意が必要です。
アップデートやサポートが制限される

アップデートやサポートなどが制限されるのも問題です。場合によっては、一部機能が制限されることも考えられます。
アップデートができないことで、セキュリティの脆弱性が修正されず、マルウェアやウイルスに感染しやすくなります。情報漏えいなどの被害に遭いやすくなるでしょう。
また非正規品であることから、Microsoftのサポートも受けられません。何らかの技術的な問題が発生しても、公式のヘルプデスクやサポートフォーラムを利用できず、問題解決が困難になります。
結果として、業務効率の低下や重要なデータの喪失につながる可能性があります。
非正規品のオフィス付き中古パソコンの見分け方

非正規のオフィスを使用するのがリスキーだとわかっても、ユーザー側からは正規品・非正規品を見分けるのは難しいでしょう。中には非正規品と気付かずに利用してしまっているケースもあります。
非正規品の購入を避けるために、あらかじめ確認しておきたい4つの点を紹介します。
価格を確認する
相場よりも極端に安い場合は、非正規品の可能性があるため注意が必要です。
正規品のオフィスは単体で3~4万円ほどの値段なので、相場よりも極端に安い中古パソコンは、オフィスを不正利用することで安さを実現しているかもしれません。特に数万円ほどの激安パソコンは、非正規品のオフィス付きの可能性が高いといえます。
「付属のオフィスも中古だから安くなっている」と思われるかもしれませんが、通常中古のオフィスが付属することはあり得ません。というのも、オフィスはMicrosoftアカウントと紐付けされるので、個人情報保護の観点などもあり、中古の状態で出回らないからです。
相場よりも極端に安いパソコンや、オフィスの値段と変わらない値段の場合は非正規品のオフィスを疑いましょう。
名称を確認する
非正規品かどうか見極めるには、商品の名称を確認することも大切です。以下のような名称が記載されている場合は、非正規品である可能性が高くなります。
- Office Professional Plus
- Office 365
- Office Home and Student
- Office 365 Home Premium
上記のようなオフィスは、個人向けに販売されていないか、日本国内向けには販売されていないなど、通常付属するはずがないため、非正規品である疑いがあります。
また、Office 2023のような記載で、細かなエディションがぼかされている場合も要注意。曖昧な表現で記載されている場合は、非正規品であることを隠そうとしているかもしれません。
言語を確認する
対応言語を確認して、日本語以外の言語設定となっているのであれば、非正規品の可能性があります。
オフィス製品は各国語版が販売されていますが、他国語版を購入しても、日本国内では認証されません。購入したものの認証できずに利用できなかったり、サポートを受けられなかったりといったトラブルが発生しています。
日本語版のオフィスを購入するようにしましょう。
インストール方法を確認する
正規品とは異なるインストール方法が明示されていれば、非正規品の可能性が高いでしょう。
Microsoftでは、CD-ROM・DVD-ROMなどのメディアが添付されている場合は、非正規品であることを公表しています。本来Office 2024やOffice 2021、Office 2019、Office 2016、Microsoft 365 Personal、Microsoft 365 Family、Microsoft 365 Business Standardにはメディアが添付されておらず、インターネット上からダウンロードしてインストールします。
また、プロダクトキーは購入後メールで送られる・プロダクトキーはパソコン内にワードやテキスト形式で保存している・そもそもプロダクトキーが付いていないなどと記載されている場合も非正規品の可能性が高いです。
非正規品のオフィス付き中古パソコンを避けるには?

非正規品のオフィス付き中古パソコンは、数多く流通しているので、購入場所は慎重に選ぶ必要があります。特に見極める自信がない人は、信頼できる販売店を利用することが大切です。
ECモールやフリマアプリでの購入は避ける
ECモールやフリマアプリで、中古パソコンの購入は避けるのが得策です。Amazonや楽天などの大手通販サイトでも、悪質な出品者が不正品を販売しているケースがあります。不正品の手口は巧妙化しており、一般の購入者が正規品と区別するのは困難です。
もちろんECモールであっても、信頼できるショップからの購入であれば問題ありません。しかし中古パソコンの場合は、知名度の低いショップからの出品も多いため、信頼をおけるかの判断が難しくなっています。
特にフリマアプリは誰がどのような商品を出品しているか把握するのが難しく、自身で正規品かどうか判断できない場合は購入を控えるのが賢明です。
保証が充実した販売店で購入する

長期保証や交換サービスなど保証が充実した販売店であれば、信頼できる優良ショップである可能性が高いといえます。万が一購入後に不正なオフィスが付属していたとしても、他の商品と交換できるので安心です。
中古パソコン専門店の「Be-Stock」では、最長1年間の無償保証が提供されており、商品情報に記載されていない初期不良・不具合が生じても、保証期間中であれば修理・交換・返金などの対応を受けられます。
購入から30日以内であれば交換サービスも受けられるので、「使用する予定だったソフトウェアが使えない」などの顧客都合でも別のパソコンに交換できます。
パソコンのスペックなどだけでなく、ショップのサービスにも注目して選びましょう。
まとめ
オフィス付きの安い中古パソコンは非正規品のオフィスが付属している可能性があり、突然使えなくなったりウイルスに感染したりといったリスクがあるほか、不正利用として処罰の対象になる恐れもあります。
いくら安く購入できてもデメリットが大きいため、信頼できるショップから正規品のオフィスが付属した中古パソコンを購入しましょう。
どのショップなら大丈夫なのかわからない方には、中古パソコン専門店の「Be-Stock」がおすすめです。経験豊富なスタッフがクリーニング・検品したパソコンを販売しており、非正規品のオフィスが付属することはありません。ぜひ一度、商品をご覧ください。
